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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 『限界を超えて : 東日本大震災仙台製造所被災状況と復興 : 日鉄住金建材株式会社史』 【日鉄住金建材(株), 2012】

会社名

日鉄住金建材(株) [Nittetsu Sumikin Kenzai Kabushiki Kaisha]
[Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co., Ltd.]

書誌事項

限界を超えて : 東日本大震災仙台製造所被災状況と復興 : 日鉄住金建材株式会社史 / 社史編纂委員会編纂
 東京 : 日鉄住金建材, 2012.03
 53p ; 30cm
 制作: 牧歌舎東京本部 ; 横組み ; 『限界を超えて : 日鉄住金建材株式会社史』と同箱入

会社沿革と社史メモ

 渋沢栄一が関わった富士製綱(株)をルーツの一つにもつ日鉄住金建材(株)の社史『限界を超えて』(2012)の別冊。建材メーカーである同社の仙台製造所は仙台港に面しており、2011年(平成23)3月の東日本大震災津波により壊滅的な被害を受けた。それにより編纂途中の社史の発行を延期することになり、被災状況と同年11月ごろまでの復旧・復興状況を、作成中の社史別冊として翌年3月11日に発行した。これは同時に社内限定で発行された『製造所の歴史』別冊の「東日本大震災仙台製造所被災状況と復興の記録」を、2/3に縮減編集したもの。
 本書は序章と本文12章、結びからなり、序章と第1-4章では地震発生から3月19日までの被災状況を、写真や図版も入れて記述。続く第5-8章は被災直後から5月末までの復旧に向けた取組みや具体的作業をまとめたもの。更に第9-11章には9月1日の操業再開に向けた動きを記述し、第12章で被災の経営への影響をまとめ、復旧工事の歩みの表と復旧状況の写真を載せている。そして「結び」に、復旧への期待を述べた11月の社長訓示を再掲。被災後直ちに復旧への活動を開始し、困難の中で創業を再開した同社の貴重な記録となっている。
[日鉄住金建材(株)は、1917年(大正6)創立の富士製綱(株)の流れをくむ日鉄建材工業(株)に、1952年(昭和27)創立の住友金属工業(株)をルーツとする住友金属建材(株)が2006年(平成18)合併した企業。なお住友金属工業(株)は、渋沢栄一が関わった東京製綱(株)に縁がある]

日鉄住金建材(株)簡略変遷図

富士製鋼(株)1917〜
 |           住友金属工業(株)1952〜
日鉄建材(株)1973〜     |
 |                |
日鉄建材工業(株)1980〜  |
 |            住友金属建材(株)1997〜
 |                |
 |←―――――――――――
日鉄住金建材(株)2006〜
 ↓

(『限界を超えて』本編巻頭「会社の沿革」図を参考に作成)

書影

限界を超えて

目次

項目ページ
序章   巨大地震津波が仙台製造所を襲った1
第1章  仙台製造所が津波による直撃を受けた2
第2章  震災直後の本社の対応5
第3章  建屋・設備の被災状況7
第4章  安否の確認13
第5章  仙台製造所の復旧への取組み16
第6章  本社(災害対策本部)の対応19
第7章  復旧に向けた動き24
第8章  全社の協力を得た設備内の土砂撤去作業30
第9章  本格的な設備復旧工事の実施とそして迎えた操業再開35
第10章  仙台製造所6インチライン操業再開式42
第11章  6インチラインの復旧工事を終えて44
第12章  被災による経営への影響について47
結び   明日に向って52

参考リンク

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