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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

『東京海上火災保険株式会社六十年史』 【東京海上火災保険, 1940】

会社名/沿革

  • 東京海上火災保険株式会社 [Tokyo Kaijo Kasai Hoken Kabushiki Kaisha]

 明治維新後、華族となった旧大名諸氏の保有する資金を運用し、日本産業の開発に役立てるため、鉄道組合を結成するも計画半ばで中止となる。この資金に三菱の岩崎弥太郎が加わり、海上運送を保障する新たな事業として、日本初の保険会社である東京海上保険会社を創立した。1879(明治12)年、海上貨物を対象に業務を開始。のちに船舶、運送、火災、自動車等へ保険取り扱いを拡大。国内外で多くの支店、営業所、関連会社を展開している。[1890(明治23)年、株式会社となる。1918(大正7)年、東京海上火災株式会社に社名変更。現在の東京海上日動火災保険株式会社。]

社史メモ

 1939(昭和14)年の創業60周年を記念し制作された。前史である鉄道事業計画から詳細に記されている。会議事録や出願書、書簡等同社に関する史料が数多く掲載されており、会社の歴史を細やかに知ることができる。巻末附録には、統計や年譜等の他、関連会社の歴史についても記載されている。

栄一メモ

 渋沢栄一は鉄道事業計画の段階から事務を担当し、総理代人として計画を進めた。事業計画中止後、海上保険会社を興すことを提案。会社創立後も引き続き業務にあたった。1894(明治27)年には取締役に就任。1909(明治42)年に退任するまで会社の経営に関わった。なお、岩崎弥太郎の加盟においては、代理人宛に会社創立に加わるよう書簡を送っている。

  • 巻頭写真
    • 前取締役 渋沢栄一氏[写真](巻頭)
  • 第一章 会社創立前史―国有鉄道払下の華族組合(p1-34)
    • 明治八年五月渋沢栄一発起各位ニ呈スル見込書(p10-13)
    • 渋沢栄一氏(明治十年頃の写真)(p[22])
  • 第二章 会社の創立 第一節 資本金五十万円の第一計画(p35-82)
    • 第四十回定式会議 (p37-42)
    • 雨夜譚会第五回[『雨夜譚会談話筆記』より](p43-45)
    • 旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議(p46-50)
    • 我国保険事業の濫觴[「竜門雑誌」第二八二号より](p72-75)
    • 海上保険会社企業之儀ニ付御依頼書(p76)
    • 旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議(p82)
  • 第二章 会社の創立 第二節 岩崎弥太郎氏の加盟 (p83-96)
    • 旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議(p83-85)
    • [渋沢栄一と小野義真の往復文書](p85-88)
    • [渋沢栄一と真中忠直の書面](p93-94)
  • 第三章 事業の開始 (p97-152)
    • [創立順序協議のための会合開催の回状](p97)
    • 海上保険経営の先駆[択善会第六回録事および『青淵先生六十年史』より引用箇所あり](p137-151)
  • 第四章 明治時代 明治時代後期 第五節 増資と新株の特別割当(p350-364)
    • 渋沢男爵原案支持(p358-359)
    • 明治四十三年四月八日東京海上保険株式会社第五十季定時株式総会ニ於テ渋沢男爵取締役辞任ノ挨拶要領(p360-363)
    • [渋沢栄一辞任に際し開催された記念品贈呈式における栄一への感謝状](p364)

 ほか栄一関連記述多数あり。

書誌事項など

東京海上火災保険株式会社六十年史 / 東京海上火災保険株式会社編纂
 東京 : 東京海上火災保険 : 1940.10
 3, 4, 697p, 図版44枚 ; 27cm
 注記 : 印刷: 清水印刷所 ; 付録: 業績統計等p567-697 ; 折込み表3枚 ; 非売品 ; 縦組み

東京海上火災保険株式会社六十年史

栄一関連情報

参考リンク