情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

『六十四年の歩み : 東洋汽船株式会社』 【中野秀雄, 1964】

会社名

東洋汽船株式会社 [Toyo Kisen Kabushiki Kaisha]

会社沿革と社史メモ

 1896(明治29)年、浅野総一郎(あさの・そういちろう、1848-1930)により、外国航路の経営を目的として創立。1926(大正15)年、客船部門を日本郵船(株)に譲渡、貨物専業になる。1960(昭和35)年、日本油槽船(株)に吸収合併。
 本社史は、日本油槽船との合併により解散する東洋汽船の名前と歴史を後世に残すべく、同社最後の社長となった中野秀雄によって合併の前年に発案、編纂が開始され、合併後の1964(昭和39)年に刊行された。内容は浅野総一郎の生い立ちおよび東洋汽船の前身である浅野回漕店の設立経緯に始まり、同社64年の活動を記録したもので、特に日本油槽船との合併問題については詳しく記述されている。序文は浅野総一郎の息子で第3代社長の浅野良三が担当。巻末には元社員による同社での思い出の記が綴られている。

栄一メモ

 栄一は発起人、創立委員長として会社の創立にかかわり、創立後は監査役、株主となる。また、日本郵船への客船部門譲渡の際には、斡旋人として、その交渉にあたった。

  • 歴代取締役 (巻頭)
    • 監査役として渋沢栄一の肖像写真あり。
  • 浅野回漕店の設立 (p5-10)
  • 東洋汽船株式会社設立 (p11-16)
  • 第一期株主総会 (p25-34)
  • 浅野社長の寿像建立(p210-212)
    • 寿像除幕式の写真に栄一の姿あり。
  • 日本郵船との合併に関し渋沢栄一子爵に斡旋依頼(p214-216)
  • 第二東洋汽船と日本郵船との合併案成る(p220‐222)
    • 合併記念の写真に栄一の姿あり。

書誌事項など

六十四年の歩み : 東洋汽船株式会社 / 中野秀雄編
 東京 : 中野秀雄, 1964.06
 3, 11, 486p, 図・肖像 ; 27cm
 注記: 奥付のタイトル: 東洋汽船六十四年の歩み ; 奥付の編集兼発行者: 中野秀雄 ; 印刷所: 明善印刷 ; 見返しに社旗と広告の図版 ; 歴代社長の肖像あり ; 非売品 ; 縦組み

栄一関連情報

「渋沢社史データベース」を更新しました。

 2019年3月22日(金)、情報資源センターでは「渋沢社史データベース」(Shibusawa Shashi Database、略称:SSD)を次の通り更新しました。

データの追加

 新規搭載社史12冊および既搭載社史81冊に新たにデータを追加しました(目次12件、索引5件、資料編80件)。これによりSSD搭載の社史は、合計1,588冊となりました。

「ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信)」第79号掲載

 2019年3月13日(水)に配信したメールマガジン「ビジネス・アーカイブズ通信」第79号を情報資源センターのウェブサイトに掲載しました。

■文献情報:パナソニックのアーカイブズ
■企業団体情報:デイブ・スミス氏(元ウォルト・ディズニー・アーカイブズアーキビスト)訃報
☆★ 編集部より:あとがき、次号予告 ★☆

 次回の配信は2019年3月下旬を予定しております。新規に配信を希望される方は下記ページよりお申し込み下さい。

【終了しました】「渋沢社史データベース」メンテナンスのお知らせ(2019年3月22日(金) 11:00~12:00)

 「渋沢社史データベース」は下記日時の間、サイト更新及びシステムメンテナンスのため、一時的にご利用いただけません。
 ご不便をおかけしますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

講演会「「論語と算盤」と信用金庫経営」開催のお知らせ

 公益財団法人渋沢栄一記念財団では、2019年7月3日(水)に2019年度会員総会記念講演会として「「論語と算盤」と信用金庫経営」を開催いたします。

2019年度会員総会記念講演会
演題 : 「論語と算盤」と信用金庫経営
講師 : 平松廣司 氏(かながわ信用金庫理事長)
日時 : 2019 年7月3日(水)18:00~19:30(開場 17:30)
会場 : 日本工業倶楽部 (東京都千代田区丸の内1-4-6) (地図・アクセス
定員 : 100名(事前申込・先着順) *参加費無料

 申込方法など、講演会の詳しい内容はリンク先をご覧ください。
 

情報資源センターがデジタルアーカイブ学会第1回学会賞(実践賞)を受賞

 この度、情報資源センターはデジタルアーカイブ学会第1回学会賞として「実践賞」を受賞しました。

 この「実践賞」は「デジタルアーカイブの構築・運用・普及・継続発展等に優れた貢献をした個人・機関・団体を対象」とするものです。情報資源センターの授賞理由にはデジタル版『渋沢栄一伝記資料』、「渋沢社史データベース」、「実業史錦絵絵引」が例に挙げられ、工夫を凝らしたデジタルアーカイブの公開を行うだけでなく、継続的な拡充を図っていることが「優れたデジタルアーカイブの実践」である旨、記されています。
 授賞式は2019年3月15日(金)、デジタルアーカイブ学会第3回研究大会において行われました。あらためて御礼申し上げますと共に、日頃よりご支援をいただいている全ての方々へ心からの感謝を申し上げます。
 今後とも情報資源センターの発信する各種コンテンツをご活用くださいますよう、お願い申し上げます。