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『平和を生きる日米人形交流 : 渋沢栄一とシドニー・ギューリックの親交からキッズゲルニカへ』 【世織書房,2019.10】

書誌事項

平和を生きる日米人形交流 : 渋沢栄一とシドニー・ギューリックの親交からキッズゲルニカへ / 宮崎広和, 是沢博昭, 井上潤編
 横浜 : 世織書房, 2019.10
 v, 196p ; 22cm
 注記: ISBN: 9784866860084

解題

 1924年移民法の施行によって緊張した日米関係を修復すべく渋沢栄一とシドニー・ギューリック(1860-1945)が働きかけた日米人形交流より90年を記念して、2017年に、日本とアメリカの三都市で開催されたシンポジウムおよび企画展示の記録。大妻女子大学(東京)で開催されたシンポジウムを土台に、答礼人形「長崎瓊子」(ロチェスター科学博物館所蔵)をめぐる交流の考察など新たな論考や文献案内を加え、「太平洋横断的な視点から、日米人形交流の今日的意義を再検討」した一書。

  • 東京 シンポジウム「人形交流の再検討-人形・交換・子ども」(大妻女子大学、2017年7月22日(土)、主催:渋沢研究会・大妻女子大学博物館) / 展示「日米人形交流90周年 記念パネル展示」(同博物館、2017年7月5日(水)~10月14日(土))
  • 長崎 シンポジウム「未来への伝言~ナガサキから~:人形交流の再検討-人形・交換・子ども」(長崎歴史文化博物館、2017年8月7日(月)、主催:長崎親善人形の会(瓊子の会)) / 展示「日米友情人形展~きずな未来へ」(同博物館1Fホール、2017年8月7日(月)~13日(日))
  • ニューヨーク州ロチェスター シンポジウム(ロチェスター科学博物館、2017年9月30日(土)) / 展示「The Gift of Dolls」(同博物館、2017年9月30日(土)~11月14日(火))

目次

項目ページ
目次i
1 はじめに=日米人形交流九〇周年 : 民間・市民・都市外交 / 宮崎広和3
     1 日米人形交流研究の系譜4
     2 日米人形交流九〇周年記念企画の人的・知的背景6
     3 本書の道案内9
2 人形交流を読みなおす / 是沢博昭15
     1 はじめに15
     2 渋沢栄一の「国民外交」16
     3 ギューリックとの出会いと帰国17
     4 「移民法」への不安と改正運動18
     5 “Doll Project”=友情人形の誕生20
     6 人形交流の広がり23
     7 太平洋を渡る答礼人形26
     8 人形交流への誤解28
     9 近代日本のコンプレックス(1) : 大連の反発29
     10 近代日本のコンプレックス(2) : 朝鮮の人形歓迎会33
     11 人形交流のメッセージ37
     12 おわりに38
3 太平洋を覆う暗雲を取り払う : 一九二七年日米人形交流 / 小檜山ルイ, 小関菜月訳41
     1 女性たちの関わりと伝道という伝統43
     2 女性から男性、宗教から世俗へ49
     3 ナショナリズム、権力、ヒエラルキー53
     4 残響59
4 人形という贈り物 : 共同作業としての人形交流 / 宮崎広和, 宮崎ザビエル79
     1 はじめに79
     2 贈り物としての人形80
     3 一九七〇年代以降の人形交流の展開83
     4 長崎親善人形の会の活動85
     5 贈与交換としての人形交流88
     6 終わりに=子どもの視点93
5 シンポジウム〈日米人形交流の再検討〉 : 人形・交換・子ども / 井上潤, 是沢博昭, 宮崎広和, 宮崎ザビエル, 塚本隆史, 飯島真里子, 山下昭子99
6 民間交流の今日的意義 : 東京・長崎、そしてロチェスターから / 宮崎広和131
     1 東京から長崎へ132
     2 ロチェスターへ134
     3 都市外交との関係137
     4 「人形の力」の再発見138
     5 おわりに140
7 渋沢栄一の社会貢献をみつめる : 未来への遺産 / 井上潤143
     1 はじめに143
     2 現代に生きる渋沢栄一143
     3 日本の国際化と平和の椎進に貢献148
     4 渋沢栄一を社会貢献にいたらしめたもの155
     5 おわりに159
渋沢栄一の功績と生涯161
8 おわりに=未来へのメッセージ : 日米人形交流から日満親善交流へ・侵略と平和と子ども / 是沢博昭167
     1 人形交流の遺産167
     2 「子ども」というフィルター168
     3 日満親善交流=子どもによる平和169
     4 平和と侵略171
     5 人形交流への誤解173
     6 ゆがめられた善意と連帯感174
     7 おわりに175
日米人形交流の理解をふかめる文献案内177
執筆者・発言者紹介192
あとがき195

外部機関の所蔵データほか

NDL ONLINE / CiNii Books / Worldcat / NDL Search

関連エントリー

参考リンク

新紙幣の肖像(2019年4月9日発表)に関する報道などから(その38)

 2019年4月9日(火)、財務省は新しい日本銀行券(紙幣)及び五百円貨幣を発行すると発表しました。このうち紙幣は2024年度上期を目途に発行され、新一万円券の表には渋沢栄一の肖像が掲載されるとのことです。ここでは、渋沢栄一に関する主な記事をまとめました。(その1その2その3その4その5その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15その16その17その18その19その20その21その22その23その24その25その26その27その28その29その30その31その32その33その34その35その36その37

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栄一関連会社・団体

ゆかりの地

栄一関連文献

  • 超読書家・ユーチューバー中田敦彦が推薦する、いま読んでほしい5冊とは? 【Penクリエイター・アワード2019】 | Feature
    〔Pen Online - 2019年12月9日〕
    https://www.pen-online.jp/feature/culture/pca2019_nakata/1
  • 大河ドラマの主人公・明智光秀や渋沢栄一の素顔も暴露! 東大教授が教える“偉人たちのホントの評価”
    〔ダ・ヴィンチニュース - 2019年12月10日〕
    https://ddnavi.com/review/582170/a/

反響など

抄紙会社/大川平三郎/イベント

『青淵』第849号(2019.12)

渋沢栄一記念財団機関誌『青淵』第849号(2019.12)が刊行されました。
渋沢栄一および財団関連記事は以下の通りです。

  • 渋沢史料館休館のお知らせ …… 表紙裏
  • 【渋沢栄一のことば】 …… 表紙裏
    • 『渋沢栄一訓言集』より
      ○ 国家の進歩は政治の力、兵備の力よりは実業の力が多いように思われる。一国が他国の激烈なる競争に堪うるもまたこの実業の力と言わねばならない。ゆえに今日実業教育を修むる学生は後日この実業の衝に当たるべき者であるから、未来の国富を増進するところの原素というも過言ではない。
      ○ 今日の少年は、将来国家の大任を負うべき櫱(ひこばえ)である。小学教育の重んずべき理由は実にここにある。「栴檀(センダン)ハ二葉ヨリ香(カンバ)シ」と言うが、初めがもっとも大事である。中国の墨子(ぼくし)が少年を白糸に喩(たと)えて、赤にも黒にも染まぬ間に十分の感化薫陶(くんとう)を要する、と言ったのは真理である。
      ○ 審(つまびら)かに時勢の趨(おもむ)くところを察して、事物の大綱を誤(あやま)らぬようにするのは、学問の力でなければならない。天才や努力ばかりでできるものでない。
  • 雑誌・書籍に見る渋沢栄一. 『趣味と実益』より 「人間処世と応対談話」 …… p.8-9
  • 金満家番付にみる青淵翁 / 奥田豊 …… p.21-23
  • 【科学】渋沢栄一と土 / 藤井一至 …… p.24-26
  • 新札に登場する渋沢栄一と東京駅舎 / 金子祐正 …… p.27-29
  • 【渋沢・クローデル賞】 囚人と狂気 : 一九世紀フランスの監獄、文学、社会 (第三六回《二〇一九年度》渋沢・クローデル賞 奨励賞) / 梅沢礼 …… p.30-33
  • 幸田露伴の気骨 : 晩年の随筆「愛」について / 小林敏男 …… p.34-37
  • 【「せいえんひろば」】 新規維持会員のご紹介 (七月~九月) …… p.41
  • 『青淵先生訓話集』より [経済訓 経済の合理化と忠恕] …… p.41-43
  • 【渋沢財団 研究センターだより】 No.434 新任のご挨拶/『論語と算盤』読書会 第9期がスタート/渋沢栄一と「フィランソロピー」シリーズ第5巻 出版情報/「論語とそろばん」セミナー2020 申し込み受付開始 …… p.47-46
  • 【史料館の窓】明治四三年の水害と渋沢栄一 …… p.48
  • 【表紙絵のことば】「雪山と月」 / 鮫島圭代 …… 裏表紙裏

新紙幣の肖像(2019年4月9日発表)に関する報道などから(その37)

 2019年4月9日(火)、財務省は新しい日本銀行券(紙幣)及び五百円貨幣を発行すると発表しました。このうち紙幣は2024年度上期を目途に発行され、新一万円券の表には渋沢栄一の肖像が掲載されるとのことです。ここでは、渋沢栄一に関する主な記事をまとめました。(その1その2その3その4その5その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15その16その17その18その19その20その21その22その23その24その25その26その27その28その29その30その31その32その33その34その35その36

栄一関連会社・団体

  • 【Tosho Cannel!】20191028_祝 渋沢栄一初代会頭 新紙幣肖像画決定記念 第三回記念セミナー「新1万円札の顔・渋沢栄一を紐解く~激動期におけるビジネスリーダーの役割~」
    〔YouTube - 2019年11月27日〕
    https://www.youtube.com/watch?v=LqudEnj7IRg

ゆかりの地

反響など

田園都市株式会社/大川平三郎/ゆかりの地/関連文献/イベント

『渋沢倉庫株式会社三十年小史』 【渋沢倉庫, 1939】

会社名/沿革

  • 渋沢倉庫株式会社 [Shibusawa Soko Kabushiki Kaisha]
    [The Shibusawa Warehouse Co.,Ltd.]

 1897(明治30)年、東京深川の渋沢邸内に渋沢倉庫部(匿)を創設。営業主は渋沢栄一、倉庫部長として栄一の長男、渋沢篤二が就任した。1903(明治36)年に匿名組合事業から渋沢家の独立事業となる。1909(明治42)年に改組し、渋沢倉庫株式会社を設立。関東大震災後は本店を茅場町へ移転した。

社史メモ

 渋沢倉庫部(匿)創設から昭和初期までの30年余りの歴史をまとめた社史。歴代役員には渋沢篤二のほか、栄一の娘婿である明石照男、従甥の渋沢義一、孫の渋沢敬三らの名前も見られる。会社の記章の由来について触れているほか、附録として社史刊行当時、社会問題となっていた金解禁についても記されている。

栄一メモ
  • 巻頭
    • 「温故知新 昭和幸来一月 九十二翁青淵」[栄一書] 
    • 子爵 渋沢栄一[写真] 
    • 創立二十五周年記念(大正十一年三月三十日於工業倶楽部撮影)[写真] 
  • 序 / 渋沢篤二(p1-2)
  • 二、渋沢倉庫部の創立 附第一回報告書概要
    • 匿名組合渋沢倉庫部の創立(p3-4)
  • 七、倉庫の荷役人夫直営 附直営後の成績及人夫の状況
    • 最初は不文律 中頃規程の不備(p25-26)
  • 一四、創業十周年記念招待及福住稲荷神社大祭典(p48)
  • 三六、増資記念慰労金給与、二十五周年記念祝宴及銀杯分与(p144-145)

書誌事項など

渋沢倉庫株式会社三十年小史 / 渋沢倉庫株式会社編
 東京 : 渋沢倉庫 : 1931.09
 2, 2, 8, 240p, 図版17枚 ; 20cm
 注記 : 編輯兼発行者: 渋沢倉庫株式会社内 利倉久吉 ; 印刷: 東京印刷 ; 折り込図2枚 ; 非売品 ; 縦組み

渋沢倉庫株式会社三十年小史

栄一関連情報

参考リンク