是より先栄一等、未墾地の開拓により食糧増産に資する目的を以て、帝国開墾株式会社の設立を企画したるも、不成立に終る。是日栄一、益田孝の来訪を受け、開墾会社の再建につき協議し、翌五日益田孝・武井守正と共に、総理大臣原敬を官邸に訪ひ、右に関する協議をなす。爾後栄一、屡々政府当局と折衝し、又、益田孝・武井守正等と会談を重ぬる等、当会社の設立に尽力するところ少なからず。
出典：『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 2部 実業・経済 / 5章 農・牧・林・水産業 / 1節 農・牧・林業 / 7款 中央開墾株式会社 【第54巻 p.219-222】
・『渋沢栄一伝記資料』第54巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/54.html
中央開墾株式会社の設立が提唱された背景には、前年の1918（大正7）年に米価高騰から米騒動が発生するなど、食料供給問題という社会背景がありました。（『渋沢栄一伝記資料』第54巻p.206-208）
参考：米騒動
〔史料に見る日本の近代- 国立国会図書館〕
http://www.ndl.go.jp/modern/cha3/description06.html
大正7年（1918）8月 米騒動が全国に広がる
〔公文書に見る日本のあゆみ - 国立公文書館〕
http://www.archives.go.jp/ayumi/kobetsu/t07_1918_02.html
格差への怒り 政府を倒す 〜大正デモクラシーを生んだ米騒動〜
〔その時歴史が動いた - NHKオンライン〕
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2006_10.html#03
