情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
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 1928(昭和3)年10月8日 (88歳) デイビッド・S・ジョーダンからの知らせ 【『渋沢栄一伝記資料』第40巻掲載】

是より先、アメリカ合衆国人デーヴィッド・エスジョルダンは市橋倭をして栄一に関する記事を執筆せしめ、ワールド・ユニティー誌に発表せしむ。是日栄一、ジョルダンよりその報知に接す。市橋の記事は翻訳の上翌四年一月の「竜門雑誌」に掲載し、その二部をジョルダンに送る。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 7節 其他ノ資料 / 5款 外国人トノ往復書翰 【第40巻 p.661-667】
ワールド・ユニティ誌(World unity)に掲載されたという市橋倭(いちはし・やまと、1878-1963)による渋沢栄一紹介記事は、日本語に翻訳され、『世界一致の使徒としての渋沢子爵』の題で『竜門雑誌』第484号(1929.01)p.40-45に掲載されました。『渋沢栄一伝記資料』第40巻p.664-667には同誌からの転載としてその全文が紹介されています。
スタンフォード大学の初代学長も務めたアメリカの魚類学者デイビッド・スター・ジョーダン(David Starr Jordan、1851-1931)は栄一とも交流があった人物で、1911(明治44)年、1922(大正11)年の来日に際しては飛鳥山邸を訪ね、また『渋沢栄一伝記資料』には栄一とジョーダンの往復書簡が数多く掲載されています。
記事を執筆した市橋倭もまたスタンフォード大学で教鞭を取り、『渋沢栄一伝記資料』の中では、1920(大正9)年ヴァンダーリップ一行来日の折、日光などの旅行に随行したことが紹介されています。
参考:World unity : monthly magazine interpreting the spirit of the new age
〔NACSIS Webcat
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AA00482654
Dr. David Starr Jordan / 岡部久
〔神奈川県水産技術センターメールマガジン VOL.211 2007-08-31〕
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/mailmag/no211.html