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渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 『社史と伝記にみる日本の実業家』 【神奈川県立図書館, 2012】

書誌事項

社史と伝記にみる日本の実業家 : 人物データと文献案内 / 神奈川県立図書館, 神奈川県立川崎図書館 編
 横浜 : 神奈川県立図書館, 2012.03
 306p ; 21cm

解題

社史や伝記を豊富に所蔵する神奈川県立の二つの図書館が、日本の代表的な実業家を列伝風に紹介し、各人物の文献目録を付した著作。《本編》では実業家31人を生年順に取り上げ、各人ごとに生い立ちや事績、関係人物、神奈川との関わりなどをまとめた「人物データファイル」と、著作、社史、伝記文献、参考文献をまとめた「文献案内」を記載。文末に担当司書名入り。《別編》では神奈川ゆかりの実業家20人を生年順に取り上げ、生没年と神奈川との関わりをまとめ、文献案内を付している。「実業家と美術館」「神奈川の別荘と実業家」などのコラムを随所にはさみ、巻末に人名と企業・団体名索引付。各実業家に関連する企業変遷図を、神奈川県立の図書館ウェブサイトに掲載している。また《別編》は同サイトから全文が公開されている。

外部機関の所蔵データほか

NDL-OPAC / Webcat / Worldcat / NDL Search / Webcat Plus 1,2 / Googleブックス 1,2

目次と各人の詳細情報

実業家氏名
(ふりがな、生没年)
キャッチコピー 【関係会社】ページ
刊行のことば3
《本編》
本編凡例8
渋沢栄一
(しぶさわ・えいいち、1840-1931)
日本資本主義の父 【第一国立銀行ほか】9
浅野総一郎
(あさの・そういちろう、1848-1930)
京浜工業地帯の父 【浅野セメントほか】22
高峰譲吉
(たかみね・じょうきち、1854-1922)
サムライ化学者 【三共ほか】29
御木本幸吉
(みきもと・こうきち、1858-1954)
世界の真珠王 【御木本真珠店】38
根津嘉一郎
(ねづ・かいちろう、1860-1940)
独立不羈の鉄道王東武鉄道ほか】47
大橋新太郎
(おおはし・しんたろう、1863-1944)
出版王国を築いたパイオニア 【博文館ほか】54
郷誠之助
(ごう・せいのすけ、1865-1942)
財界の大御所 【東京株式取引所ほか】61
武藤山治
(むとう・さんじ、1867-1934)
紡績王から政治家、新聞人に転身したリベラリスト 【鐘淵紡績】69
鈴木三郎助 (2代)
(すずき・さぶろうすけ、1868-1931)
世界の「味の素」の創業者 【味の素】80
福沢桃介
(ふくざわ・ももすけ、1868-1938)
日本の電力王 【大同電力ほか】88
原富太郎
(はら・とみたろう、1868-1939)
三渓園に名を残す横浜の豪商 【原合名会社ほか】96
相馬愛蔵
(そうま・あいぞう、1870-1954)
養蚕家からパン屋へ 【中村屋104
相馬黒光
(そうま・こっこう、1875-1955)
アンビジャス・ガール 【中村屋104
小林一三
(こばやし・いちぞう、1873-1957)
宝塚歌劇団生みの親 【阪神急行電鉄 (阪急)ほか】113
小平浪平
(おだいら・なみへい、1874-1951)
国産電機技術の確立者 【日立製作所121
大谷竹次郎
(おおたに・たけじろう、1877-1969)
近代的興行を確立 【松竹ほか】128
大原孫三郎
(おおはら・まごさぶろう、1880-1943)
企業メセナの先駆者 【倉敷紡績ほか】137
鮎川義介
(あいかわ・よしすけ、1880-1967)
新興財閥の総帥 【日本産業ほか】146
五島慶太
(ごとう・けいた、1882-1959)
私鉄王 【東京急行電鉄ほか】154
中島知久平
(なかじま・ちくへい、1884-1949)
日本の飛行機王 【中島飛行機163
正力松太郎
(しょうりき・まつたろう、1885-1969)
マス・メディアの巨人 【読売新聞社ほか】170
堤康次郎
(つつみ・やすじろう、1889-1964)
雷帝西武鉄道ほか】180
石橋正二郎
(いしばし・しょうじろう、1889-1976)
地下足袋からタイヤの王様へ 【ブリヂストンタイヤ】188
豊田喜一郎
(とよだ・きいちろう、1894-1952)
日本自動車産業のパイオニアトヨタ自動車工業】198
松下幸之助
(まつした・こうのすけ、1894-1989)
経営の神様 【松下電器産業ほか】207
土光敏夫
(どこう・としお、1896-1988)
ミスター合理化 【石川島播磨重工業ほか】216
本田宗一郎
(ほんだ・そういちろう、1906-1991)
スピードに生きた「オヤジさん」 【本田技研工業ほか】225
井深大
(いぶか・まさる、1908-1997)
エレクトロニクス産業の先駆者 【ソニー235
安藤百福
(あんどう・ももふく、1910-2007)
ミスターヌードル 【日清食品244
佐治敬三
(さじ・けいぞう、1919-1999)
生活文化企業の大成者 【サントリーほか】252
中内功 [正しくは工+刀]
(なかうち・いさお、1922-2005)
流通革命の旗手 【ダイエー259
《別編》 かながわゆかりの実業家
別編凡例268
茂木惣兵衛 (初代)
(もぎ・そうべえ、1827-1894)
原善三郎と並び、横浜生糸貿易界の双璧。襲名は三代にわたる。269
原善三郎
(はら・ぜんざぶろう、1827-1899)
「眼力確かな」横浜第一の生糸貿易商にして、県会議員、横浜市会初代議長など、多くの肩書きを身にまとった「亀善」。270
高島嘉右衛門
(たかしま・かえもん、1832-1914)
伊藤博文陸奥宗光ら政府高官とつながり、ガス灯設置、鉄道事業用地の埋め立てなど、開港地・横浜のインフラ整備で財を成す。271
田中平八
(たなか・へいはち、1834-1884)
「天下の糸平」の異名をもつ、開港地の肝っ玉相場師。生糸売込と洋銀相場で財を成す。272
早矢仕有的
(はやし・ゆうてき、1837-1901)
福沢諭吉の勧めにより、西洋書籍を主として薬品等を扱う貿易業・丸善を始めた医者。明治前期の開港地・横浜の著名人の一人。274
安田善次郎
(やすだ・ぜんじろう、1838-1921)
三井、三菱、住友と並ぶ旧四大財閥、安田財閥創始者。両替商から銀行業に進出、社会事業にも貢献した。別邸のある大磯を愛した。276
大谷嘉兵衛
(おおたに・かへえ、1844-1933)
日本の茶業界、横浜の財界や教育界など多方面に活躍する実業家「茶嘉兵衛」。「大谷の鼻、原の眼」と並び称された。277
雨宮敬次郎
(あめみや(あめのみや)・けいじろう、1846-1911)
生糸相場、洋銀相場、製粉工場の起業、開発事業など様々な事業において活躍。「天下の雨敬」、「投機界の魔王」の通称がある。278
益田孝
(ますだ・たかし、1848-1938)
三井物産初代社長、三井財閥の中心人物。号は「鈍翁(どんのう)」。小田原の別邸・掃雲台は、政財界人をはじめ数寄者の交流の場となった。280
山口仙之助
(やまぐち・せんのすけ、1851-1915)
日本で初めて本格的な外国人向けのリゾートホテルを開業し、道路建設水力発電所の設置によって、箱根の近代化を支えた。281
岡野喜太郎
(おかの・きたろう、1864-1965)
静岡・神奈川2県で広く営業するスルガ銀行を興す。第二次世界大戦敗戦後の神奈川県の復興資金を提供した。282
白石元治郎
(しらいし・もとじろう、1867-1945)
日本鋼管を設立し、国の支援によらず鉄鋼業を確立させる。京浜工業地帯で製鉄造船を主体とする一大総合企業に発展させた。283
野村洋三
(のむら・ようぞう、1870-1965)
美術骨董品貿易のサムライ商会を横浜に起こし、ホテルニューグランド会長、横浜商工会議所会頭他を歴任した。284
松永安左エ門
(まつなが・やすざえもん、1875-1971)
現在の電力体制をつくり「電力の鬼」と呼ばれた実業家。また、茶人としても名高く、「近代三茶人」「近代小田原三茶人」の一人。286
小菅丹治 (2代)
(こすげ・たんじ、1882-1961)
小田原の呉服屋で修行を積んだあと、当時東京の五大呉服店に数えられた伊勢丹に婿入りし、経営を近代化して百貨店として発展させた。287
大倉邦彦
(おおくら・くにひこ、1882-1971)
大倉洋紙店社長として企業活動に尽力すると共に、東西文化の融合をめざし、横浜に大倉精神文化研究所を設立した。288
松信大助
(まつのぶ・だいすけ、1884-1953)
有隣堂創業者。関東大震災、横浜大空襲の2度に亘る被災にも負けず再興に奔走した。289
藤井林右衛門
(ふじい・りんえもん、1885-1968)
横浜を「創業の地」として大切にしてきた洋菓子店・不二家の祖。290
野並茂吉
(のなみ・もきち、1888-1965)
崎陽軒社長。「シウマイ王」と呼ばれた。291
坂田武雄
(さかた・たけお、1888-1984
ペチュニアのサカタ」と呼ばれた、世界有数の種苗会社サカタのタネの創業者。292
主要人名索引295
主要企業・団体名索引300
写真出典一覧305
執筆者一覧306
《コラム》-略-

参考リンク