会社名
(社)日本綿花協会 [Shadan Hojin Nippon Menka Kyokai]
書誌事項
綿花百年. 上巻・下巻 / 日本綿花協会編
大阪 : 日本綿花協会, 1969.06
2冊 ; 19cm
注記: Title in romaji: Menka hyaku-nen ; 編者: 小西平一郎,堀務,鷲見一政 ; 発行者: 小川京一 ; 宏栄印刷 ; 縦組み ; 上巻: 22, 427p ; 下巻: 17, 429-823, 79p ; 日本綿花協会創立二十周年記念出版
- 社史・会社に関する各種ID : 『会社史総合目録』一連アイテム番号: 11221
会社沿革と社史メモ
日本に綿花(棉花)が渡来したのは平安時代だが、庶民の衣料として大きく普及したのは江戸時代で、全国で綿花が栽培され、手工業で綿布が生産されていた。明治に入り綿花・綿糸・綿布(綿三品)の輸入が急増し、政府の綿業育成等により大規模な綿紡績会社が設立。輸出も盛んになり多くの綿貿易会社が設立され、1898年(明治31)に国内外の綿花商20社により日本棉花同業会が発足。以降第二次大戦期に統制会社となるまで、同業者の利益を守り取引週報や月報を発行し、業界発展に貢献した。戦後は綿花輸入業者を中心とする民間団体として1947年(昭和22)(社)日本綿花倶楽部が発足、輸入綿花輸送に関わる業務と日報・月報を刊行する調査業務を行う。1949年(昭和24)(社)日本綿花協会と改称。
本書は日本綿花協会が創立20周年を機に、明治以降の綿業・綿貿易の歴史を上下2巻にまとめたもので、足跡を記した第1部綿花百年史、業界人20人に取材した第2部綿花人二十話、資料編である第3部参考諸表からなる。第1部には「前史」として明治以前の世界と日本の綿作と綿業の歩みが含められている。第2部には各文の末尾に筆者略歴を付す。第3部の会員会社要覧には、正・準会員計55社について社歴、綿花部門歴、歴代の綿花担当部長名、綿花部門の特色がまとめられている。
[(社)日本綿花協会は2013年(平成25)一般社団法人となる]
目次
上巻
項目 | ページ | ||
---|---|---|---|
序言 社団法人日本綿花協会理事長 香川英史 | 3 | ||
編者のことば 社団法人日本綿花協会専務理事 小川京一 | 6 | ||
参考図版 | 9 | ||
第一部 綿花百年史 | 1 | ||
〈前史〉 | 3 | ||
一、明治以前の世界の綿作および綿業 | 3 | ||
日本綿業の夜明け/当時の欧州綿業/南北戦争と綿花/欧州、綿花飢饉に悩む/日本からも綿花を輸出/外の風に曝された日本の在来綿業/運輸通信の発達と綿花取引の進歩/大西洋横断海底電線の開通と先物取引の普及/情報の組織化/世界の綿作および綿業の起源 | 3 | ||
二、明治以前の日本の綿作および綿業 | 30 | ||
日本の綿作および綿業の起源/江戸時代の綿作/品質基準は坂上綿/諸国産綿の出荷と地元消費/諸国の台所・大阪の生い立ち/大阪の綿問屋/株仲間の廃止と復興/世界最古の綿花先物取引所の出現/綿織物問屋・マニュファクチュアの発展/徳川時代の遺産 | 30 | ||
〈明治〉 | 49 | ||
一、明治前期(明治元年―十五年) | 49 | ||
明治維新と経済界の混乱/居留地貿易/輸出は一次産品・輸入は消費物資/貿易商のはしり/直貿易への布石/日本最初の機械紡績工場/政府の綿業育成/明治前期の内地綿作/ガラ紡の発明/綿花消費から見た先進綿業国/綿花定期取引所の設立 | 49 | ||
二、明治中期(明治十六年―三十年) | 74 | ||
明治中期の経済の基盤/一万錘紡績=大阪紡績の設立/大規模紡績の設立相次ぐ/わが国最初の紡績操短/綿糸輸出はじまる/水力から火力へ・ミユールからリングヘ/電灯照明、皇居に次いで紡績が採用/綿花輸入増加と国産綿の衰退/内外綿会社の設立と中国綿直輸入開始/インド綿、米綿の輸入はじまる/日本綿花の設立と米綿直輸入開始/三井物産の活動/現地直買はじまる/邦船によるインド綿輸入開始/当時の世界綿花生産事情/一次産品生産国から離陸できた要因 | 74 | ||
三、明治後期(明治三十一年―四十五年) | 109 | ||
明治後期の内外情勢/ブームと恐慌の繰り返えし=当時の経済界/紡績の第二次増設ブームと統合の動き/当時の世界綿業の概況/日露戦中/戦後の紡績業/紡績資本の集中状況/紡績操短の繰り返えし/当時の世界綿花事情/当時の世界綿花貿易高と日本の輸入高/綿花輸入商社の活動/江商合資会社の設立/商社による在支紡績経営/日本綿花同業会の設立/神戸港綿花荷捌契約の締結/この時期の労働事情/明治の終末 | 109 | ||
〈大正〉 [以下詳細目次省略] | 163 | ||
一、大正前期(大正元年―十年) | 163 | ||
二、大正後期(大正十一年―十五年) | 236 | ||
〈昭和〉 | 285 | ||
一、昭和前期(昭和元年―十一年) | 285 | ||
二、昭和戦乱期(昭和十二年―二十年)―日華事変から第二次大戦終結まで― | 380 |
下巻
項目 | ページ | |
---|---|---|
参考図版 | 3 | |
第一部 綿花百年史 | 429 | |
三、戦後復興期(昭和二十一年―二十四年) | 429 | |
四、民間貿易再開期(昭和二十五年―三十年) | 475 | |
五、昭和発展期(1)(昭和三十一年―三十五年) | 525 | |
六、昭和発展期(2)(昭和三十六年以降) | 553 | |
〈綿花荷捌の変遷〉 | 601 | |
一、戦前における綿花荷捌 | 601 | |
二、戦後における綿花荷捌 | 612 | |
三、今後の綿花荷捌 | 621 | |
〈結びに代えて〉 | 624 | |
一、日本における綿花の消費と輸入の将来 | 624 | |
二、綿花商社の今後の課題 | 631 | |
第二部 綿花人二十話 | 641 | |
第二次大戦直前の活動など / 南郷三郎 | 641 | |
インド在任二十二年の思い出 / 木下清次郎 | 647 | |
明治・大正期の米綿事情 / 野田洋一 | 655 | |
綿花品質裁定機関の設立にいたる経過を顧みて / 藤田亀太郎 | 669 | |
日印会商から終戦まで / 中尾優 | 673 | |
綿貿易半世紀を回顧して / 鈴木重光 | 678 | |
忘れがたい綿花の仕事 / 駒村資正 | 685 | |
綿花業界の大先輩を偲ぶ / 北村市太郎 | 692 | |
回想―大正期の綿花取引事情 / 篠原好雄 | 698 | |
洛陽のおもいで / 岡島美行 | 705 | |
大正・昭和初期のインド綿事情 / 渋谷友三郎 | 714 | |
綿花三十年を顧みて / 福井慶三 | 730 | |
想い出す、先人・先輩 / 吉川信蔵 | 746 | |
一九三〇年代の米国綿花政策 / 西川武四郎 | 755 | |
雑感とお願い / 上松薫 | 759 | |
綿花品質裁定機関のことなど / 下村泰介 | 764 | |
綿花に関する思い出 / 志村勇 | 769 | |
戦後の国有綿取扱い事情 / 土井寅司 | 776 | |
繊維貿易公団綿花部の回想 / 南宏 | 787 | |
戦中戦後のことども / 穂積収 | 793 | |
上海時代 / 小川京一 | 800 | |
綿花生活三十年をかえり見て / 深津嘉寿男 | 814 | |
第三部 参考諸表 | 巻末1 | |
1. 社団法人日本綿花協会会員会社要覧 昭和44年5月1日現在 | 巻末3 | |
2. 綿花百年・略年表 | 巻末35 | |
3. 綿花輸入業者団体・略年表 | 巻末56 | |
4. 統計目次 | 巻末62 | |
5. 参考文献 | 巻末74 |
外部機関の所蔵データほか
NDL-OPAC / CiNii Books / 神奈川県立川崎図書館 1,2 / Worldcat 1,2,3,4,5 / NDL Search / Webcat Plus / Googleブックス 1,2