情報資源センター・ブログ

情報の扉の、そのまた向こう

公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 「クロアチアのMuseum Documentation Center (MDC)」 (2) MDCの概要

 MDCウェブサイトのMDC自身のページには、概要が簡潔にまとめられています。

 クロアチアには現在281の博物館、171の教会コレクション、700万点以上の収蔵品を持つ個人コレクションがあります。そこには1,000人以上の学芸員、文書管理者、IT技術者、教育者、修復専門家、司書、アーキビスト等の専門家がいて、収蔵品に関わる情報の収集、保存、発信等の業務を行っています。MDCはこれらクロアチア全国の博物館ネットワークの中心となる公的機関で、多くの専門家と協力しながらシステムの調整を行い、国内外への広報サイトとしての役割も担っています。

 MDCのミッションは、「クロアチアの博物館を今以上の存在にする」「収蔵品の多様性と豊かさを守る」「過去と現在の価値の意味を強化する」「すべての専門家との連携を育てる」ことにあります。

 MDCは1955年に、アントゥン・バウアー(Antun Bauer, 1911-2000)博士の構想で創設されました。当時バウアー博士は30年間に渡って収集した博物館に関する文書、写真、専門書、版画のコレクションを、ザグレブ市に寄贈しました。MDCのZgaga所長によると、MDCは1994年まではザグレブ市の所管で、翌年から国の文化省の管轄となったそうです。内戦(1991〜1995)後政治体制が変化していますが、MDCのビジョンやミッションに変化はありましたかと聞いたところ、それは変わらずプロジェクトの配分に多少の変化がある、とのことでした。創設時から博物館・図書館・アーカイヴの協働体制をとっており、情報をシェアすることが重要である、と所長は強調されていました。