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『聖徳太子奉讃会史』 【永青文庫, 2010】

団体名/沿革

  • 財団法人聖徳太子奉讃会 [Shotoku Taishi Hosankai]

 仏教の衰退により荒廃した法隆寺の復興を願う佐伯住職の求めに応じ、高嶋米峰、黒坂勝美らは1913(大正2)年、法隆寺会を結成。1921(大正10)年の聖徳太子一千三百年御忌法要に向けて、国内の機運を高めるべく活動を行う。1918(大正7)年、聖徳太子一千三百年御忌奉賛会を発足。聖徳太子の啓蒙活動を行うとともに法隆寺の修繕費等のための寄付金集めを開始。1921(大正10)年4月11日より7日間にわたり御忌法要を執り行った。1924(大正13)年、法要ののち使われず余った寄付金を基に財団法人聖徳太子奉讃会設立。御忌奉賛会の事業のほとんどを引き継ぎ、法要、啓蒙活動、遺蹟の保全、学術研究支援等を行う。戦後は資金難に陥りつつも法隆寺の支援を受けて夏季大学や文化セミナーを開催。1998(平成10)年、残余財産を財団法人永青文庫へ譲渡し解散。

団体史メモ

 本史は財団法人解散にあたり、同会が歩んだ姿と実績を後世に残すため制作された。本編のほか、関係者の談話「聖徳太子奉讃会の思い出」、年表等を附録。巻末に資料編として『聖徳太子一千三百年御忌奉賛会小史』『法隆寺伽藍維持及聖徳太子精神研究顕揚基金醵集第一回報告書』を収録している。本編末には紙幣の顔なった聖徳太子像について記載あり。

栄一メモ

 渋沢栄一は当初聖徳太子に対して否定的であったが、高嶋らの説明により誤解していたことを知り、活動を支援することを決める。自らは御忌奉賛会副会長になったほか、総裁と会長の選定、役員の斡旋を行った。御忌法要では法隆寺に赴き、実業界の代表として頌徳文を拝読した。財団法人聖徳太子奉讃会でも引き続き副会長として支援。理事会や評議員会にもしばしば出席している。

  • 一 聖徳太子一千三百年御忌法要
    • 4 聖徳太子一千三百年御忌奉賛会の設立(p9-19)
    • 5 聖徳太子一千三百年御忌法要の奉行(p19-28)
  • 二 財団法人聖徳太子奉讃会の設立
    • 1 財団法人聖徳太子奉讃会の設立の経緯(p29-36)
    • 2 大正十三年の理事会と評議員会(p36-40)
    • 資料二 理事会、評議員会の記録(大正13年―昭和5年)(p48-75)
  • 五 東京府美術館開館と聖徳太子奉讃美術展覧会
    • 1 東京府美術館建設と聖徳太子奉讃美術展覧会場(p101-108)
  • 六 聖徳太子御忌法要
    • 2 聖徳太子奉讃会の御忌法要(p128-133)
  • 附録
    • 聖徳太子一千三百年御忌奉賛会・財団法人聖徳太子奉讃会略年表(p348-337)
  • 資料編 [複製]
    • 聖徳太子一千三百年御忌奉賛会小史(p355-429)
    • 法隆寺伽藍維持及聖徳太子精神研究顯揚基金醵集第一回報告書(p431-459)

書誌事項など

聖徳太子奉讃会史 / 増山太郎編著
 東京 : 永青文庫 : 2010.10
 17, 459p ; 22cm
 注記 : 制作: 吉川弘文館 ; 印刷・製本: 平文社 ; 箱入 ; 縦組み

聖徳太子奉讃会史

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