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『忘れられた幕末維新 : 1867年パリ万国博覧会と徳川昭武、渋沢栄一』【松戸市戸定歴史館, 渋沢栄一記念財団渋沢史料館, 2019.03】

書誌事項

忘れられた幕末維新 : 1867年パリ万国博覧会と徳川昭武、渋沢栄一 / 松戸市戸定歴史館, 渋沢史料館編
 松戸 : 松戸市戸定歴史館, 2019.03
 274p ; 21cm
 注記: 共同刊行: 渋沢栄一記念財団渋沢史料館

解題

 1867年(慶応3)、江戸幕府第15代将軍 徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ、1837-1913)は、弟である水戸藩最後の藩主 徳川昭武(とくがわ・あきたけ、1853-1910)を将軍名代としてパリ万国博覧会へ派遣し、渋沢栄一(しぶさわ・えいいち、1840-1931)らが随行した。
 このパリ万博開催から150周年を記念し、2017年、徳川昭武の私邸・戸定邸と庭園の公開、徳川昭武の遺品や徳川慶喜家伝来品などの資料展示を行う松戸市戸定歴史館では、展覧会と多彩な行事からなる”PROJECT 1867”を実施。また同年、渋沢栄一の旧邸跡に建ち、渋沢の生涯と事績に関する資料展示等を行う渋沢史料館では、企画展「渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く」および関連事業を開催。両館では、展示の相互協力、両館館長の相互出張講演、ミュージアムコンサート等を行った。
 本書では、両館の展覧会に合わせて行われた講演会、シンポジウム、講座の内容を収録する。明治維新の前年にあたり、「忘れられた」事項であるかもしれないパリ万博開催と昭武一行渡仏について、各分野の専門家がそれぞれの視点から、新たな光をあてている。
 展覧会と、本書に掲載された各論考等の初出となる関連事業の開催概要は以下の通り。なお本書には一部掲載されていない内容もある。

  • 展覧会
    • 松戸市戸定歴史館 1867年パリ万博150周年展
      • 第I期「プリンス・トクガワと渋沢栄一」(2017年3月18日~6月25日)
      • 第II期「写真と万博」(2017年7月15日~9月24日)
      • 第III期「徳川昭武の日仏交流」(2017年10月7日~12月24日)
    • 渋沢史料館 企画展「渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く」
      • 第1期(2017年3月18日〜6月25日)
      • 第2期(2017年9月9日〜12月10日)
  • 関連講演会
    • 「プリンス・トクガワ-パリ万博の熱き夢-」(2017年3月18日、講師:斉藤洋一、会場:渋沢史料館 青淵文庫)
    • 「1867年パリ万国博覧会と日本」(2017年4月15日、講師:寺本敬子、会場:渋沢史料館)
    • 「近代日本と博覧会」(2017年4月22日、講師:国雄行、会場:渋沢史料館)
    • 「近代日本の創造者 渋沢栄一の渡欧体験」(2017年4月23日、講師:井上潤、会場:松戸市民会館)
    • 「幕末の徳川慶喜」(2017年4月29日、講師:久住真也、会場:渋沢史料館)
  • シンポジウム
    • 「1867年パリ万博とは何か」(2017年10月21日、会場:千葉大学園芸学部 100周年記念戸定が丘ホール)
    • 「1867年パリ万国博覧会と幕末日本~人物で読み解く~」(2017年11月19日、会場:日仏会館ホール)
  • 渋沢史料館エデュケーション・プログラム 講座『航西日記』を読む(全3回)
    • 第1回『航西日記』を知る(2017年11月18日、講師:関根仁・田崎宣義・荒尾禎秀、会場:渋沢史料館)
    • 第2回『航西日記』を読む(2017年12月2日、講師:関根仁、会場:渋沢史料館) 
    • 第3回『航西日記』を味わう(2017年12月9日、講師:斉藤洋一・井上潤、会場:渋沢史料館 青淵文庫)  

書影

『忘れられた幕末維新』表紙

目次

項目ページ
はじめに巻頭
目次巻頭
第一部 講演集[1]
企画展関連講演会[2]
 プリンス・トクガワ-パリ万博の熱き夢- / 斉藤洋一3
 1867年パリ万国博覧会と日本 / 寺本敬子24
 近代日本と博覧会 / 国雄行44
 幕末の徳川慶喜 / 久住真也68
 近代日本の創造者 渋沢栄一の渡欧体験 / 井上潤90
第二部 シンポジウム[111]
1.シンポジウム「1867年パリ万博とは何か」[112]
 シンポジウム趣旨説明 / 斉藤洋一113
 研究報告
  フランス産業芸術とジャポニズム / 寺本敬子115
  1867年パリ万博が渋沢栄一にもたらしたもの / 井上潤121
  徳川昭武とパリ万博 / 斉藤洋一128
2.シンポジウム「1867年パリ万国博覧会と幕末日本~人物で読み解く~」[136]
 シンポジウム趣旨説明と登壇者紹介 / 桑原功一, 木村昌人137
 基調講演
  1867年パリ万国博覧会、再考 / 鹿島茂140
 パネル報告
  パリ万博開催前後の徳川慶喜 / 久住真也157
  徳川昭武と日仏交流 / 寺本敬子164
  薩摩藩とパリ万国博覧会 / 町田明広171
  佐野常民と博覧会 / 国雄行178
  渋沢栄一の講演にみる幕末の欧州体験 / 関根仁188
 コメント報告
  斉藤洋一195
  ジュリア・ヨング201
  渡辺靖204
 パネルセッション / 木村昌人(司会進行), 久住真也, 寺本敬子, 町田明広, 国雄行, 関根仁, 斉藤洋一, ジュリア・ヨング, 渡辺靖, 鹿島茂(パネリスト)208
第三部 講座『航西日記』を読む[231]
渋沢史料館エディケーション・プログラム 講座『航西日記』を読む(全3回)[232]
[第1回『航西日記』を知る]
 『航西日記』の基礎知識 / 関根仁233
 『航西日記』を知る -社会経済史の視点から- / 田崎宣義242
 日本語学から見た『航西日記』 / 荒尾禎秀256
講演者の紹介269
展覧会の記録273
あとがき / 川上恵巻末

関連エントリー

参考リンク

更新履歴

2020.09.16:目次ページ数を補記