書誌事項
論語と算盤 / 渋沢栄一述 ; 梶山彬編
東京 : 忠誠堂, 1928.01
3, 10, 403p, 口絵2枚, 18cm
解題
梶山彬が編纂した渋沢栄一の10篇90章からなる訓話集。前年(1927年)に同じ忠誠堂より発行された『論語と算盤』と同紙型を用いていると考えられるが、ひとまわり大きな判型に改め、新たに巻頭口絵として肖像写真「渋沢栄一翁」および渋沢による題言「導之以徳斉之以礼 甲寅雨水節 青淵題」を収載、表装を一新している。口絵題言にある甲寅は1914(大正3)年と考えられ、本書の内容に合った『論語』為政に題材を求めた渋沢の書を収録した可能性がある。
表装のクロスは緑色と紺色の2種。外函あり。
版(刷)
版(刷) | 発行年月日 | 発行者 | 発行兼印刷者 | 印刷所 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
[初版] | 1928.01.15 | 忠誠堂 | 高倉嘉夫 | 忠誠堂印刷所 | 1円50銭 |
書影
目次
項目 | ページ |
---|---|
[口絵] | 巻頭 |
凡例 / 編者[梶山彬] | 1 |
格言五則 | [4] |
目次 | 1 |
処世と信条 | 1 |
論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの [目次: 論語と算盤とは甚だ遠くして甚だ近いもの] | 1 |
士魂商才 | 3 |
天は人を罰せず | 10 |
人物の観察法 | 13 |
論語は万人共通の実用的教訓 | 17 |
時期を待つの要あり | 22 |
人は平等なるべし | 26 |
争ひの可否 | 29 |
大丈夫の試金石 | 34 |
蟹穴主義が肝要 | 38 |
得意時代と失意時代 | 42 |
[格言] | 48 |
立志と学問 | 49 |
精神老衰の予防法 | 49 |
現在に働け | 57 |
大正維新の覚悟 | 61 |
秀吉の長所と短所 | 64 |
自ら箸を取れ | 68 |
大立志と小立志との調和 | 73 |
君子の争ひたれ | 78 |
社会と学問との関係 | 84 |
勇猛心の養成法 | 87 |
一生涯に歩むべき道 | 90 |
[格言] | 94 |
常識と習慣 | 95 |
常識とは如何なるものか | 95 |
口は禍福の門なり | 101 |
悪んで其の美を知れ | 104 |
習慣の感染性と伝播力 | 109 |
偉き人と完き人 | 114 |
親切らしき不親切 | 116 |
何をか真才真智と謂ふ | 121 |
動機と結果 | 126 |
人生は努力にあり | 130 |
正に就き邪に遠ざかるの道 | 133 |
[格言] | 137 |
仁義と富貴 | 138 |
真正の利殖法 | 138 |
効力の有無は其人に在り | 143 |
孔夫子の貨殖富貴観 | 147 |
防貧の第一要義 | 151 |
罪は金銭にあらず | 155 |
金力悪用の実例 | 162 |
義理合一[義利合一]の信念を確立せよ | 166 |
富豪と徳義上の義務 | 171 |
能く集め能く散ぜよ | 177 |
理想と迷信 | 181 |
道理ある希望を持て | 181 |
この熱誠を要す | 184 |
道徳は進化すべきか | 187 |
斯の如き矛盾を根絶すべし | 190 |
人生観の両面 | 194 |
これは果して絶望か | 198 |
日新なるを要す | 203 |
修験者の失敗 | 206 |
真正なる文明 | 212 |
発展の一大要素 | 217 |
廓清の急務なる所以 | 220 |
[格言] | 224 |
人格と修養 | 225 |
楽翁公の幼時 | 225 |
人格の標準は如何 | 231 |
誤解され易き元気 | 237 |
二宮尊徳と西郷隆盛 | 240 |
修養は理論ではない | 245 |
平生の心掛が大切 | 250 |
須らく其の原因を究むべし | 256 |
東照公の修養 | 262 |
誤解されたる修養説を駁す | 266 |
権威ある人格養成法 | 269 |
商業に国境なし | 273 |
[格言] | 277 |
算盤と権利 | 278 |
仁に当つては師に譲らず | 278 |
金門公園の掛札 | 284 |
唯王道あるのみ | 288 |
競争の善意と悪意 | 292 |
合理的の経営 [目次: 合理的経営] | 298 |
[格言] | 303 |
実業と士道 | 304 |
武士道は即ち実業道なり | 304 |
文明人の貪戻 | 308 |
相愛忠恕の道を以て交はるべし | 313 |
天然の抵抗を征服せよ | 317 |
摸倣時代に別れよ | 321 |
此にも能率増進法あり | 325 |
果して誰の責任ぞ | 331 |
功利学の弊を芟除すべし | 334 |
此の如き誤解あり | 340 |
教育と情誼 | 344 |
孝は強ふべきものに非ず [目次: 孝は強ふべきものにあらず] | 344 |
現代教育の得失 | 348 |
偉人と其の母 | 354 |
其罪果して孰れに在りや [目次: 其の罪果して孰れに在りや] | 358 |
理論より実際 | 362 |
孝らしからぬ孝 | 366 |
人物過剰の一大原因 | 372 |
[格言] | 376 |
成敗と運命 | 377 |
それ唯忠恕のみ | 377 |
失敗らしき成功 | 381 |
人事を尽して天命を待て | 386 |
湖畔の感慨 | 389 |
順逆の二境は何れより来るか | 391 |
細心にして大胆なれ | 396 |
成敗は身に残る糟粕 | 399 |
格言五則 | [404] |
奥付 | [405] |
広告[幸田露伴『努力論』] | [406] |
外部機関の所蔵データほか
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- 『論語と算盤』を再刊した出版社「忠誠堂」について(『青淵』No.905 2024年8月号掲載)
https://www.shibusawa.or.jp/center/newsletter/905.html
参考リンク
- 論語と算盤オンライン [東亜堂書房版『論語と算盤』再版]
〔公益財団法人 渋沢栄一記念財団〕
https://eiichi.shibusawa.or.jp/features/rongotosoroban/ - デジタル版『渋沢栄一伝記資料』 - 第41巻|栄一ノ演説・談話ヲ編集刊行セルモノ | 論語と算盤
〔公益財団法人 渋沢栄一記念財団〕
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK410086k_text - デジタル版『渋沢栄一伝記資料』 - 第48巻|栄一ノ題言 | 論語と算盤 渋沢栄一述 梶山彬編 昭和三年一月刊
〔公益財団法人 渋沢栄一記念財団〕
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK480053k_text#DK480053k-0127